「加藤泉展」彫刻 東京・新富 アラタニウラノ 「プリミティブ」な存在感(産経新聞)

 若手の人気アーティスト、加藤泉の個展が東京・新富のギャラリー、アラタニウラノで開かれている。3月から同ギャラリーで1カ月ほど開催された絵画展に続く第2弾で、彫刻だけの発表となる。(渋沢和彦)

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 なんとも不思議な彫刻群だろう。床にあおむけに寝ころび足を宙に垂直に上げ、その足の先には花が咲いている。椅子(いす)に腰掛けている作品では局部に見事な白い花が咲きエロチック。人のような顔を持ち、4本足で立っているものも。どの顔も、イエロー、グリー、ブラウンなど、アクリル絵の具や油彩などで激しく大胆に塗られ力強い。

 鼻や口、耳など細部はおおざっぱでざっくりと表現。チェーンソーやノミなどを使い荒々しく彫られる。表面には削ったザラザラとした跡が残り、プリミティヴ(原始的)な印象を与える。思いもよらない造形物を提示したアフリカンアートのような趣と風格がある。

 どれも体長は1メートル前後。幼児のような体形でありながら乳房を持っていたり、子供のようでいて大人のようであったり、人間であるようで、宇宙からやってきたような未知の生き物のようであったりする。ナイーブな造形は多面性を秘めている。

 加藤は昭和44年、島根県生まれ。武蔵野美術大学で油絵を学んだ。作家活動を始めた当初は、かたちが定まらない胎児を思わせる不思議な姿を描いていた。その後、徐々に形が明確化し、人体らしき形へと向かい始めた。といっても頭が異常に大きく、不気味でありながらもかわいらしさがある。

 絵画制作の一方、小さな彫刻も同時並行で手掛けてきたが、6年ほど前から次第に大きくなり始めた。

 ちょうど絵画が立体化して目の前に現れたようで、確かな存在感がある。顔の両端に付けられた石を素材にした大きな目。それが醸し出す無邪気さの中に見え隠れする不安そうな表情は、閉塞(へいそく)感のある現代の社会への、行き場のない不安が表れているように見えてしまう。5月22日まで(日月祝休、5日は開廊)。

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